犬の関節炎を疑う兆候

関節炎は関節の炎症が関連していると考えられます。

感染や精神的ショックによるものから免疫関連や代謝性疾患に至るまで非常に様々な要因で起こります。
しかし、もっとも典型的な関節炎の原因が加齢や発達異常、関節の使い過ぎ、またそれ以外の関節の問題にあります。これらすべての事が、衰えを引き起こし、炎症や痛み、損傷を起こしてしまいます。特に、ジャーマンシェパードやゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなどの犬種は関節炎にかかりやすい傾向があります。また標準体重の犬に比べて肥満体の犬も関節炎にはなりやすいでしょう。

以下、関節炎にかかっている可能性がある犬の兆候です。

微妙な症状

いつもより自分の犬が元気がないと感じる時はないでしょうか。歩みに元気がなかったり、見るからに元気がなさそうであったり沈んでいるように見える事があるかもしれません、あるいは何かが普通ではないと気が付くかもしれません。子供と同じで、あなたが自分の犬の事は一番良く知っています。もし何か普通ではないと感づいたなら恐らくその勘は正しいでしょう。どのような場合でも、何か様子がおかしいと感じた時は獣医師に連れて行くにはいい機会でしょう。その他の、わずかな関節炎の兆候は体重の増加、異常なほど長い昼寝などがあります。

行動の変化

関節炎を患っている犬は行動の変化として現れることがあります。食欲不振、日常生活の中での興味の消失、運動不耐性などが良くある症状です。
その他のより顕著な兆候としては、ハウストレーニングを忘れたり、家の中で問題を起こしてしまったり、普段は穏やかで優しい犬がイライラし怒りっぽくなるという行動が見られます。犬によっては痛みで元気をなくしてしまう犬もいます。犬が普段の行動から逸脱した行動を何か起こしたりする場合は痛みを抱えているか何か問題がある兆候でしょう。

歩行困難

痛みがあったり関節炎を患っている犬は、断続的に歩行困難を起こすでしょう。特にその日、犬の脚か関節が痛み、硬くなっている場合、良い方の足をかばって引きずって歩く姿を目にするでしょう。
あなたの犬も階段を上るのを避けたり、お気に入りの家具の上に飛び乗らなかったりするかもしれません。
時に異常な態度を見せることもあり、骨盤を包み込むように歩き、かばいたい方の足をとても用心深く使います。
関節炎の犬は立ち上がったり動き回ったりするのも嫌がり、動くときはウサギ跳びのような歩き方で移動するのを見る事もあるでしょう。
関節炎を患った犬はただ体が固く、動きがゆっくりしているように見えるでしょう。一度体を温めてあげて関節がなめらかになったら、ほぼいつも通りに動きまわれるようになるでしょう。時に運動をし過ぎた後や肥満であって体が固くなり体へ負担がかかることもあります。
しかし、肥満体でもなく、まだ老犬のようにゆっくりとした歩みでもないのなら、痛みには何か大きなヒントが
あるかもしれません。

落ち着きをなくし快適さを失う

関節炎を患っている犬は、震えだしたり、うろうろしたりと落ち着きをなくすようになります。寝ようとする時も、痛みを和らげようと自分で体重のかかる位置を絶えず変えながら一番快適な状態を作ろうとします。
しかし残念ながら、どの犬の努力も痛みを和らげ、快適にするにはその方法ではあまり効果がありません。
ようやく痛みを我慢できるポジションを見つけて、しばらく昼寝をしていても驚かないでください。
リラックスした睡眠はなかなか難しいのです!

鳴いて(また吠えずに)痛みを伝える

痛みを伴った犬は動いたり彼らをなでたりする時に、くんくん鳴いたり、吠えたりするようになる事があります。
彼らの関節は腫れて、敏感になり熱をもちます。犬に触ると、噛みついたりさえするようになったり、もしくはぎゃんぎゃん吠えたりするようになります。
関節炎がひどければ、関節が変形しているのが見えるかもしれません。騒いだりする代わりに、中には異様なほど静かになる犬もいます。それは単に、吠えたり、鳴いたりする事が痛みを更にをひどくし、自分で出せる以上の力を要するからです。
注意すべき事は、一つの関節だけが関節炎であっても、その脚を他の足が庇うことで他の関節をもさらに痛める傾向があります。この事が他の場所の関節炎の引き金となってしまいます。しかし、この病気の進行は様々な要因によって変わり、例えば年齢、体重、健康状態、栄養状態、また犬種や性別によっても変わります。

見てわかるように、犬には関節炎である事を示す合図がいくつかあります。明らかなことは、治療に早く取り組めば取り組むほど、より健康に、快適に犬は過ごせるでしょう。どのような症状でも、もし犬に関節炎の疑いがあればあなたの選択肢を考慮した上で、必要以上に苦しませないように出来るだけ早く獣医師に診せる事をおすすめします。

メタボリック症候群
肥満に高血糖・高血圧・高脂血症などを合併した状態のことです。
こういった症状があると動脈硬化が起きやすくなり、簡単にいうと心筋梗塞や脳卒中といった病気にかかりやすくなるから、メタボリック症候群を予防しましょうというのが厚生労働省の狙いでした。1998年に世界保健機関(WHO)が「メタボリック症候群」という診断名でその診断基準を発表した事から、メタボリック症候群という名前が使われるようになったようです。高血糖や 高脂血症を引き起こす原因として食べ過ぎや運動不足がありますが、そういった生活環境の影響により体の中で「新陳代謝」の異常が引き起こされ、メタボリック症候群のつながっていると考えると、このメタボリック症候群のネーミング
も納得がいきますね。
その一方で自分の専門にしているMetabolic diseaseは別名、Inborn errors of metabolism、日本語では先天性代謝異常と呼ばれる生まれつきの異常で体の中で糖分、タンパク質や脂肪といった栄養分を「新陳代謝」させることが出来ない事により精神発達遅滞、てんかん、低血糖などを引き起こす一群の病気を意味します。この先天性代謝異常を持って生まれた患者さんたちは、生まれた時はほとんど症状が無く、時間が経つにつれて症状が後から出てくるので、早期発見/早期治療が大切です。残念ながら日本では十分な数の先天性代謝異常の専門医が存在しないので、こういった病気が診断されずに見逃されている可能性があるのではないかと考えます。 実際に最近の研究では乳幼児期に突然死している子供達の10%位は先天代謝異常による突然死である可能性が示唆されています運動不耐性とは 運動に耐えられない状態のことをいいます、あるいは、運動により息切れなど何らかの自覚症状を感じ、運動を中止する状態

関連サイト:

  • http://www.petwave.com/Dogs/Health/Arthritis/Symptoms.aspx
  • http://www.petmd.com/dog/general-health/evr_dg_arthritis_how_to_recognize_and_manage_the_condition
  • http://www.vetstreet.com/dr-marty-becker/5-signs-your-dog-may-have-arthritis